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【予告編集】大重潤一郎監督作品

『黒 神』処女作 1970

『光りの島』1995

『風の島』1996

『縄 文』2000

『原郷ニライカナイへ―比嘉康雄の魂―』2000

『ビッグマウンテンへの道』2001

『久高オデッセイ第一部 結章』2006

『久高オデッセイ第二部 生章』2009

『久高オデッセイ第三部 風章』2015

沖縄テレビ・報道特集15/11/26

大重潤一郎監督遺作『久高オデッセイ』

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「能勢~能勢ナイキ反対住民連絡会議」上映会

東京自由大学では、10月25日から27日まで3日連続のイベントを行いますが、プログラム内で、大重潤一郎監督作品「能勢~能勢ナイキ反対住民連絡会議」((52分、1972年製作、能勢ナイキ反対住民連絡会議よりの依頼作品)上映を行います。この作品の一般公開は初めてとなります。

10月25日(金)18:00 ~ 20:30
大重潤一郎監督「能勢~能勢ナイキ反対住民連絡会議」上映

以下、宗教学者・鎌田東二先生が寄せて下さった文章の一部を掲載します。

この「能勢」は、ミサイル基地を大阪の箕面の近くの能勢に作ろうとする政府の動きを地域住民が反対した運動をドキュメントしたもので、「社会派大重」の一面がよく出ている。
この流れが、後に、「ビックマウンテンへの道」に通じている。これは、原発反対などの今日の動きに連動するもので、とりわけ、今見る価値がある。
特に、地域のお母さんたちの生の反対の声を、若き大重潤一郎監督が突撃インタビューして聴き取っているとことが画面にも出ていて、大変興味深いよ。大重さん、痩せとるのう! お金がなくて飯を食うとらんのかのう!>

この感想も、2回目見ても全く変わりません。それどころか、昨日観た時よりも、もっともっとすばらしい作品だと思いました。

第1に、「いのちの詩」が社会や国家の開発・防衛・戦争などのために、抑圧され、蹂躙され、圧殺されようとする時に、立ち上がっていく普通の生活者(いわゆる一般市民)が、自分たちの等身大の感覚で反対運動を起こし、立ち上がっていく、その生活者の声とごく普通の生命感覚を聴き取り、映像化している点。大重さんの社会への対峙の基盤に、彼の生に根を降ろした生命感覚があること。生命~社会~国家という関係性の中で、「いのちの声と立場」が明確に位置づけられていること。

第2に、日本の原水爆禁止運動の中での「ミサイル用ナイキ基地反対運動」が持つ歴史的な意義を記録しているという歴史記録的価値がある点。その点が、原発事故後の現代の状況に大いに示唆すること。そして、国家が推し進める開発計画に対して、生活者の生存の権利と素朴な未来構想のありようをもう一度じっくりと考え直させる歴史テキストとして意味があること。

第3に、25~26歳の若き映画作家大重潤一郎が、生身の肉体を晒し、インタビュアーになって、お母さんやお父さんや、地域住民の声を拾って歩いている姿がそのまま描かれていて、作家(監督)と地域住民との関係がきちんと可視化されていること。

第4に、反対住民だけでなく、最後の方で、当時の松田能勢町長の声も拾って全体像が見えるようになっていること。

第5に、「国」というものが、地域の生活者をないがしろにしていく手口が、一つの歴史事例として浮かび上がること。

第6に、基地や道路を作る「開発」が山林を切り拓くことによる土砂崩れ・山津波などの「自然災害」を生み出すことの負の連環性を明確かつ先駆的に指摘していること。

などなど、です。